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際立つ専用機器の不足

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2006年(平成18年)7月31日(月)日刊工業新聞掲載・中国の福祉・シルバー市場(第一弾)
レポート・楊軍(ヤン・ジュン)
海外窓口担当:国際マーケティングサービス「中国国際福祉博覧会」 (TEL03-3555-0555)

<<際立つ専用機器の不足>>


見かけない障害者

60歳以上の高齢者1億4400万人、障害者6000万人。中国は福祉・シルバー産業でも世界最大の市場だ.経済発展に伴い,高齢者や障害者の生活環境も著しく変化してきた。08年の北京五輪・パラリンピックを控え、潜在市場が一層拡大しようとしている。新たに注目され始めた中国福祉・シルバー市場の最新事情をリポートする。
「中国では障害者の姿を見かけないけど、皆どこにいるの?」。北京にいる日本人の友人から、質問された事がある。障害者や高齢者が車椅子を駆使して街を散策し、駅や空港では車いす用のリフトを利用して移動。耳の不自由な人や言語障害者が携帯電話で通信している。これは米国、ドイツ、日本など先進国ではよく見る光景だ。身体機能を補助する福祉機器が充実し,豊富な選択肢がある。一方の中国はどんな状況か。

高齢者・障害者の“出門難”

街では障害者や身体の不自由な高齢者をほとんど見かけない。点字ブロックも「どうせ利用者はいない」と、上に駐車されたりして名ばかりの存在になっている。駅や空港、ホテルやデパートなど公共の場でリフトなど補助機器が使われている場面はまず見ない。障害者や身体の不自由な高齢者を街で見かけないのは“出門難”(家から外に出ずらいという意味の中国語)が背景にある。身体の機能を補う器具が十分に行きわたっていないためだ。


90%が持っていない

「福祉機器が手に入らない』という問題が際立ってきた。全国6000万人を超す障害者の90%が福祉器具を持っていない。先進国では福祉機器が一万種類を裕に越すのに対し、中国は約700種類、国産品はわずか300種類しかない。08年の北京五輪・パラリンピック、2010年の上海万博に備えた福祉機器の調達も、まだ十分でないと言う情報もある。では、供給さえあれば、高齢者や障害者は買えるのか。中国では高度経済成長に伴い、国民が裕福にありつつある。地域格差はあるものの、少なくとも北京市、上海市、広東省などの沿岸東部地域の進展は国際社会にも認められており,福祉市場も先行して繁栄すると見込まれている。北京市では、202万人の高齢者のうち60%は生活に余裕があり、人生を積極的に楽しめる生活水準にある。また、05年統計の全国3兆2000億元(約48兆円)という預金総額のうち40%は高齢者が所有している。少なくとも、沿岸東部地域の高齢者・障害者は福祉機器を購入するのに十分な経済力を持っている。


巨大なニーズ

需要と購買力があるにもかかわらず市場が発展しないのは、生産技術や事業展開のノウハウがないためだ。巨大なニーズに対応するには今後少なくとも10年間、輸入品に頼らざるを得ない。中国政府は、海外メーカーを国内に導入する事に力を入れていく。先端技術・製品を持つ日本のメーカーにとって、これから中国の福祉市場は大きなビジネスチャンス。見逃してはならない。

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中国福祉市場メモ
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外資導入で供給不足対応

今春スタートした中国政府の「第11次5ヵ年計画」には、福祉産業の振興が政府の主要任務として始めて明示された。
同計画で掲げた「調和社会の建設」の実現に向け、福祉分野を強化しようという意欲が読み取れる。中国政府は今後10年かけて障害者用パソコンなど、独自の福祉機器の研究開発に取り組む。一方では深刻化する供給不足問題に対応する為、外資導入を促そうとしている。福祉関連製品に対応する関税免除や増値税 免除など、外資の中国進出が容易になる優遇政策を打ち出し始めた。07年5月には北京で初めて「国際福祉博覧会」が開かれる。
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